線路沿いにメガソーラー、JR東日本が再生可能エネルギーの導入を加速:自然エネルギー
駅からスタートして線路沿いへ、JR東日本が太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入拡大に乗り出した。2月に初のメガソーラーを千葉県内の車両センターで稼働させたのに続いて、茨城県内の線路沿いで4.2MW(メガワット)の大規模なメガソーラーの建設を4月中に開始する。
JR東日本は東北から関東・甲信越までの1都15県で鉄道を運行している。各地に所有する数多くの施設や土地に、再生可能エネルギーの発電設備を順次導入していく計画だ。すでに千葉県にある「京葉車両センター」の敷地内に1MW(メガワット)の太陽光発電設備を2014年2月に稼働させた。さらに2カ所目のメガソーラーを茨城県内に建設する(図1)。
東京都と福島県のあいだを結ぶ常磐線に沿って所有する6万9000平方メートルの土地に、4.2MWのメガソーラーを設置する計画だ。2本の線路にはさまれた長さが約2キロメートルある細長い用地に太陽光パネルを敷き詰める。この区間は以前に操車場があった場所で、新たな用途として太陽光発電に活用することにした。
メガソーラーは2014年4月中に工事を開始して、2015年3月までに運転を開始する予定だ。年間の発電量は437万kWhを見込み、一般家庭で1200世帯分に相当する。JR東日本は電力の用途を公表していないが、固定価格買取制度を通じて東京電力に売電するものとみられる。
このほかにも現在のところ4カ所でメガソーラーの建設を検討中だ。奥羽本線が走る秋田県の潟上市のほか、東北新幹線と東北本線が走る岩手県の花巻市、上越新幹線などが走る新潟県の新潟市と群馬県の高崎市、といった主要な路線の沿線で計画している。
JR東日本は営業エリア内で7500キロに及ぶ路線を運行して、沿線には膨大な土地を所有している。未利用の土地が広く残っているため、太陽光などの再生可能エネルギーによる発電設備を導入できる余地は膨大にある。本腰を入れて発電事業に取り組めば有力な事業者になり、一方では大量の電力を消費する立場からエネルギーの自給自足を推進することも可能になる。
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