特集
料金値上げの不安なし、慶應大学とソフトバンクが燃料電池を採用:電力供給サービス(2/2 ページ)
都市ガスを使って200kWの電力を生み出す定置型の装置「Bloomエナジーサーバー」を慶應大学とソフトバンク本社が相次いで採用した。値上げのない安価な電力を10年以上利用可能なことに加えて、電力源を系統電力とガスで二重化でき、事業継続性が高まる。
オフィスの電力の7分の1を担う
ソフトバンクは、本社を置く東京汐留ビルディング(港区東新橋)にBloomエナジーサーバーを導入した(図2)。ビル内のソフトバンクフロアの電力需要のうち、約14%を賄うことができるという。
2014年3月に着工し、1基を置いた。「ビルのオーナーである住友不動産、森トラストとは当社が交渉し、ビルの浜離宮側に残っていた空きスペースに設置した」(Bloom Energy Japan)。設置スペースはメンテナンス用の空間を含めて約60m2である。
ソフトバンクは同サーバー導入をきっかけに、東京都の防災都市づくり推進計画に貢献するという。同サーバーの電力を外灯へ給電する他、災害時に無料開放可能な災害用コンセントを設けた。加えて、ビルの地下1階に電気自動車に給電可能な充電器1基を設置、無料で利用できるようにした(図3)。
関連記事
- 導入・運用費用がゼロの電力源、ソフトバンクと米社がデータセンターやオフィス向けに提供
Bloomエナジーサーバーの特徴 - 家庭の電力の7割をまかなう燃料電池
Bloomエナジーサーバーと同じ原理で動作するエネファーム - 燃料電池をドコモが基地局に導入、停電時でも40時間以上の電力供給
Bloomエナジーサーバーとは異なる方式の燃料電池 - メタノールで10時間発電、出力1.5kWの燃料電池が登場
定置用途の他、可搬用途にも使える - なぜなぜ燃料電池、実は「電池」ではないのでは?
連載:発電の仕組み(4)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.