社宅跡地をメガソーラーに、熊本で4.8MW:自然エネルギー
NTTファシリティーズが熊本県多良木町にある他社の社宅跡地でメガソーラーの建設を始めた。太陽光発電所としての立地条件はよく、想定年間発電量は5700MWhと高い。
NTTファシリティーズは2014年7月、企業遊休地で出力4.838MWのメガソーラー「F多良木太陽光発電所」を着工したと発表した(図1、図2)。2014年12月の運転開始を予定する。固定価格買取制度(FIT)を利用して、九州電力に20年間、36円/kWh(税別)で売電する計画だ。想定年間発電量は約5700MWh。「運転開始後1年間の売電収入は約2億円を見込む」(同社)。
味岡建設の子会社である多良木自動車学園が保有する土地(多良木町多良木)、約6万4000m2を借り、太陽光発電所を立ち上げる形だ。もともとは味岡建設グループの社宅が立地していた土地である。「土地に起伏がなく平たんで、太陽光発電所に向いている」(NTTファシリティーズ)。特別な基礎や架台も必要ないとした。
「設計・調達・建設(EPC)のうち、設計と工事監理を当社が担当し、基礎工事は第一ヒューテックが、電気工事は西日本システム建設が進める」(NTTファシリティーズ)。完成後の施設はNTTファシリティーズが所有して事業主となり、管理・運営(O&M)も自社で取りしきる。
太陽電池モジュールとしてサンテックパワーの製品を1万6400枚用いる。日立製作所のパワーコンディショナーを採用した。同社が他の大規模太陽光発電所に導入している発電診断システムを取り入れることで、売電量の最大化を図る*1)。
NTTファシリティーズは日本全国にメガソーラーを立ち上げており、2014年7月10日現在、31カ所で運用中だ。今回のF多良木太陽光発電所などが加わることで、「2014年度内に累計50カ所の構築を目指している」(同社)。
*1) 発電監視システムは発電性能を見える化し、さらに遠隔自動診断するもの。維持管理費用を低減できる。監視対象はストリングの他、接続箱、パワーコンディショナー単位など、複数ある。
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連載:エネルギー列島2013年版(43)熊本
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