アルミ架台で縦横無尽、農業用や追尾用も:自然エネルギー(2/2 ページ)
茂山組は太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)において、太陽光発電システム用のアルミニウム製架台を複数見せた。農地用架台や追尾式架台などがあり、さまざまな工夫を凝らしていた。
割高なアルミ架台を薦める理由とは
同社がアルミ架台を専門に取り扱う理由は、材料が軽く腐食しにくいため、施工しやすく、保守がたやすいためだ。同社はアルミ架台にめっき加工の一種であるアルマイト処理を施しており、表面の緻密な保護皮膜がより耐食性を高めている。
しかし、アルミ架台はスチール架台よりも単価が高い。「当社のアルミ架台は納入後、そのまま組み立てられるような工夫を凝らしており、『ぱっと組み立てシステム』と呼ぶ。工期を短縮でき、人件費が少なくて済むため、アルミ架台の材料コストを十分吸収できる。加えて保守管理コストが低い」(同社)。
具体的には架台を構成するアルミ材の長さをそろえた。現場で似たような部材を探して考えながら組み立てる必要がない。次に位置決めのために通常必要になる「スミ出し」作業を不要にした。「図3の架台でいえば、横の桁を固定する1組みの金具のうち、1つをあらかじめ固定してある。ここに横の桁を載せ、ゆるく留まっているもう1つの金具を滑らせるだけで所定の位置に収めることができる。さらに、下部のW字型の部材のうち、スクリュー杭に固定する頂点部分を仮締めした形で納入するため、組み立てやすい」(同社)*1)。
1つ1つの工夫は小さく見えるものの、架台の全てがこのような発想に従っているため、大規模な案件になるほど、作業工数が減る効果が現れるのだという。「50kWの地上設置型の架台であれば、5人のチームで作業したとして、1日で設置が終わる」(同社)。
*1) 顧客からの発注があった場合、組み立てやすさを意識して架台を設計することで実現している。
追尾式の架台を開発
展示会では追尾式の架台のデモモデルも見せた(図4)。太陽電池モジュールが長手方向の軸を中心として左右に角度が変わる。展示では手元のコントローラーで角度を変えて見せていたが、製品では電動であり、コントローラーは用いない。
「日本国内では追尾型はほとんど普及していないが、今後はニーズが増えると考えている。当社が普及製品で一番乗りしたいと考えている」(同社)。
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連載:エネルギー列島2013年版(33)岡山
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