ニュース
患者と環境に優しい医療施設、地中熱による空調やコージェネで負荷軽減:自然エネルギー
建物からのCO2排出量をゼロにする取り組みを続ける大和ハウス工業が医療施設を対象にした新商品を発売した。地中熱を利用した風を出さない空調システムなど、患者と環境に優しいエネルギーの利用法を提案している。ガスコージェネレーションを設置して災害時にも電力と熱を供給する。
大和ハウス工業が8月1日に発売した「ディーズ スマート メディカル」は、医療施設として災害対策に最大の力点を置いている。耐震・免震構造の建物にBCP(事業継続計画)の機能を盛り込んだ。停電が発生しても電力や熱を確保できるように、ガスコージェネレーションの導入を前提にしている。
さらに空調システムには地中熱を利用する。年間を通じて温度が安定している地中の熱を空調の熱源として利用することで、夏の冷房と冬の暖房に必要な消費電力を抑えることができる(図1)。建物を支えるために地中に埋め込む杭を利用して地中熱を回収する「ボアホール式」のシステムを採用して設置コストを軽減する。
空調は風を出さずに、天井から空気中を伝わる放射熱の仕組みを利用する。病室で長時間を過ごす患者の負担を少なくするためである。照明もまぶしさを抑えた方法を取り入れる。空調や照明の電力使用量をエネルギー管理システムで計測して、施設内の機器の運転を最適に制御することによりCO2排出量の軽減につなげる。
関連記事
- 地熱とは違う「地中熱」、弱点の高コストを改善する
大林組が施工コストを25%下げる技術を開発 - 小さな植物工場にもニーズあり、温泉熱や地下水熱を利用
青森県で介護療養型の老人保健施設が導入 - 病院に小型風力発電機を4基、災害時にも照明や情報通信機器に電力供給
風況に恵まれた青森県の八戸市にある病院 - 医大付属の11拠点の電力消費を一括管理、機器に優先度を付けて制御
日本医科大学が関東近県の病院や大学などで - キーワード解説:電力と熱の両方を供給できる「コージェネ」
企業や家庭の自家発電設備として利用価値が高まる
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.