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日本最南端のメガソーラー、離島にどんな課題が?自然エネルギー(2/2 ページ)

日建ハウジングは2014年8月、沖縄県の石垣島に出力2MWのメガソーラーが完成したと発表した。ただし、うれしい話ばかりではない。沖縄電力によれば、石垣島に導入可能な容量は約18MWであり、早晩上限値に達するという。

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石垣島にはどの程度余裕があるのか


図4 石垣島における太陽光発電の導入規模の上限 出典:沖縄電力

 同社は太陽光発電の導入可能量について2種類の数字を示している。

 まず、周波数運用(60±0.3Hz)を逸脱しないためには、導入量を5.21MW以内に収めなければならないという。短周期の周波数制約と呼ぶ。次に内燃力発電の出力調整(下げ代)による制限を18.57MWだとした。長周期の下げ代制約と呼ぶ(図4)。

 2014年4月1日時点で系統に接続している太陽光発電の規模は8.875MW。同時点で接続申込量は11.148MWもあり、全て導入すると20MWを超える。これは先ほどの長周期の変動制限を上回る。このため、家庭用の太陽光発電システムを含む申し込みについて回答を保留している段階だ。

 沖縄電力は、接続量が18.57MWに達した時点でどうするのだろうか。まずは、系統運用の分析を進め、接続可能量をさらに増やす取り組みを進める。他の地域で進む送電網実証事業の成果も活用したいという。

 家庭や事業者側にも協力を求める。2つある。まずはパワーコンディショナーによる出力抑制だ。連系が難しい冬場の3カ月にパワーコンディショナーをオフ(にする条件で契約)することでさらに、1.25MWの接続が可能になる。家庭などで10kWの太陽光発電システムを導入した場合、沖縄電力の試算によれば、年間発電量が1万1125kWhから9198kWに下がる。年間利用率は12.7%から10.5%に低下。

 もう1つは家庭や事業者側が設置する蓄電池だ。昼間の太陽光発電所の出力を全量蓄電池に蓄えて、18時から8時に放電する。10kWの設備では容量60kWhの蓄電池が必要になるという。

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