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世界最高水準の石炭ガス化プロジェクト、熱効率を46%へ高める:電力供給サービス(2/2 ページ)
日本が世界に誇る石炭火力発電の進化が続いている。NEDOとJ-POWERが共同で取り組んできた「石炭ガス化複合発電」では、現在の石炭火力発電で最高レベルの熱効率46%を達成できることを確認した。さらにCO2分離・回収技術や燃料電池を組み合わせた実証プロジェクトも始まっている。
燃料電池を組み合わせてトリプル発電へ
J-POWERはパイロットプラントで開発したIGCCと物理吸収法によるCO2分離・回収技術を生かして、中国電力と共同で広島県の「大崎発電所」の構内に実証試験用の発電所を建設中である(図3)。発電能力は商用レベルの16万6000kWで、2017年3月に運転を開始する予定だ。
この計画は「大崎クールジェンプロジェクト」として3段階に分けて実施する。第1段階でIGCCによる高効率の石炭火力発電を実証するのに続いて、第2段階ではCO2分離・回収設備を建設して2020年4月に稼働させる計画である(図4)。さらに第3段階では石炭をガス化する過程で発生する水素を利用して、燃料電池による発電も試みる。
IGCCと燃料電池を組み合わせた「石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC:Integrated coal Gasification Fuel Cell combined cycle)」はガスタービン・蒸気タービン・燃料電池の3方式で発電することによって、石炭火力発電では最高水準の熱効率55%以上を達成できる見込みだ。IGFCの運転時期は未定だが、2020年代には石炭を燃料に使ってガス火力発電と同等の発電効率を実現する道筋は見えている。
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