水上メガソーラーが大阪にも、ため池で320世帯分の電力:自然エネルギー
全国に20万カ所以上ある農業用のため池が、太陽光発電の有望な建設場所になってきた。大阪府で初めて、ため池の水上にメガソーラーを建設する計画が決まった。発電能力は1MWで、2015年9月に運転を開始する予定だ。売電収入は、ため池の施設管理費などに充てる。
大阪府で初めての水上メガソーラーは岸和田市の「傍示池(ほうじいけ)」に建設する。満水時の面積が1万6000平方メートルのため池の水上のうち、約1万平方メートルにわたって太陽光パネルを設置する計画だ(図1)。2015年4月に着工して、9月に運転を開始する。
発電能力は1MW(メガワット)で、年間の発電量は115万kWhを見込んでいる。一般家庭で320世帯分の電力使用量に相当する。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は太陽光発電で標準的な13%を想定している。年間の売電収入は4000万円前後になる見通しである。
大阪府と岸和田市、ため池の施設を管理する「神於山(こうのやま)土地改良区」がプロジェクトに参画して、大和ハウスグループの大和リースが発電事業者になる。大阪府などは売電収入の一部をため池の施設管理費に充てる一方、大和リースも収益の一部を大阪府と岸和田市の環境・農業関連の基金に寄付する。
全国には農業用のため池が21万カ所もあり、水上の広いスペースを利用して太陽光発電を実施する動きが各地に広がってきた。すでに兵庫県では0.85MWの発電設備が運転を開始している。大阪府にも約1万1000カ所のため池が分布していて、全国で5番目に多い(図2)。
大阪府は再生可能エネルギーを拡大する施策の1つとして、ため池に太陽光発電を導入する取り組みを推進していく方針だ。傍示池のプロジェクトはモデルケースになる。
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エネルギー列島2013年版(27)大阪

