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新幹線で電力を2%節減、回転部分を減らす:省エネ技術(2/2 ページ)
JR東海は東海道新幹線の「周波数変換装置」を取り換えると発表した。神奈川県内の2カ所の設備に対して、事業費134億円を投じ、約8年間で工事を完了する。電力使用量を2%削減でき、メンテナンスコストも下がる。
静止形を回転形が補完する
このようにメリットばかりが目立つ静止形にも弱点がある。「一時的に大電流が必要なとき、現在のパワー半導体技術では全てをまかなうことができない。そこで、既存の回転形の装置を残し、併用する」(JR東海)。
図4に富士川以東の東海道新幹線の路線と駅、変電所、周波数変換変電所、同装置の位置を示す。周波数変換装置は現在9台が運用中だ。西から沼津周波数変換変電所(沼津FC:Frequency Conversion substation)、西相模FC、綱島FC、大井FCと呼ぶ4つの拠点があり、そこで合計9台の周波数変換装置が動いている。
現在は9台中6台が回転形、3台が先行導入された静止形だ。今回の取り換えでは神奈川県に位置する綱島FCと西相模FCの回転形をそれぞれ1台ずつ静止形と取り換える(図5)。綱島FC、西相模FCとも回転形が2台ずつ残り、大電流が必要なときに補助する形だ。
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