太陽光の電力に1000億円を投入、アップルが25年契約で調達:自然エネルギー
再生可能エネルギーの利用率100%を目指すアップルが、米国カリフォルニア州の太陽光発電所から25年間にわたって電力を調達する。2016年に稼働予定の発電所から130MW分の電力を購入する契約に合意した。25年間の調達額は1000億円強にのぼり、民間企業では過去最大の規模になる。
アップルが電力を調達する太陽光発電所は、カリフォルニア州のモントレー・カウンティ(Monterey County)に建設予定の「California Flats Solar Project」である(図1)。
西海岸のサンフランシスコとロサンゼルスのほぼ中間にある乾燥地帯で、1000万平方メートルを超える平坦な土地に発電能力が280MW(メガワット)の太陽光発電所を建設する計画だ。
アップルは280MWのうち130MW分の電力を25年間にわたって調達する。発電所を建設する米ファーストソーラーとのあいだで、現地時間の2月10日に総額8億4800万ドルの契約を合意した。1ドル=120円で換算すると1018億円にのぼり、年間で約40億円になる。発電所が運転を開始する予定の2016年末までに電力の購入を開始する。
アップルは全世界のオフィスやデータセンター、店舗で利用する電力も含めて再生可能エネルギーに切り替える計画を推進中だ。2013年の時点で73%まで切り替えを完了していて、特にデータセンターでは再生可能エネルギーの使用率が100%に達している(図2)。新たに調達する太陽光の電力を使って米国内のオフィスや店舗の再エネ比率を引き上げる。
米国の先進的な企業は地球温暖化対策の一環で再生可能エネルギーの導入を積極的に進めている。環境保護に貢献する姿勢を明確にしてブランド価値を向上させる狙いもある。アップルのほかにもグーグルやフェイスブックなどIT(情報技術)分野の有力企業が率先して太陽光や風力を中心に再生可能エネルギーの利用拡大に取り組んでいる。
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