北海道の販売電力量が2月に5.9%も減少、全国8地域で前年を下回る:電力供給サービス
冬の電力需要が伸びる2月に、全国各地の販売電力量が大幅に落ち込んだ。北海道では前年を5.9%も下回り、家庭を中心に小規模の需要家で減少が目立つ。電気料金を再値上げした影響が大きい。全国的に気温が高めだったこともあり、8つの地域で前年割れ、北陸と沖縄だけが前年を上回った。
ある程度は予想できたものの、北海道の落ち込みは大きかった。2015年2月の販売電力量は1月から3億4000万kWhも減り、前年2月と比べて5.9%の減少だ(図1)。2014年度に入ってからでは、12月の5.5%減を上回って最大の減少率を記録した。
特に家庭向けの「電灯」が6.1%減、商店などが利用する「(低圧)電力」は15.8%も減っている。11月に電気料金を再値上げしたことで、小規模の需要家を中心に節電対策が進展した結果である。2016年4月に小売全面自由化が始まると、さらに販売電力量の減少は加速する。一方で企業向けの販売電力量は3%弱の減少にとどまり、北海道では新電力への移行がさほど進んでいない状況もうかがえる。
北海道に次いで東北が4.5%減、関西が3.4%減、東京が3.1%減と、市場規模の大きい地域で軒並み3%以上の落ち込みになった。ただし2月は地域によって例年以上に気温が低下したところもある。北陸では家庭向けの需要が伸びたほか、沖縄では家庭向け・企業向けともに前年を上回っている。
用途別の販売電力量の状況を全国規模で見ると、家庭向けは気温が低下した1月に久しぶりに増加に転じたものの、再び減少傾向が始まった(図2)。前年は2月から4月にかけて需要が増えたが、今年は全国的に気温が低下しない限り、増加する可能性は小さいだろう。
企業向けでは新電力に契約を切り替える事例が増えてきたこともあって、オフィスなどが利用する「業務用」は4月から11カ月連続で、工場が利用する「産業用その他」も10カ月連続で前年割れの状態だ。今後も減少傾向が続くことは確実である。
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