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国内のエネルギー消費量が3年連続で減少、都市ガスと再エネだけ増加:電力供給サービス
化石燃料と電力を中心とするエネルギーの最終消費量が2011年度から減少傾向を続けている。このほど2013年度の実績がまとまり、前年度から1.0%減少した。特に消費量の多い石油と電力が3年連続で縮小した影響が大きい。一方で都市ガスと再生可能エネルギーの消費量が伸びている。
資源エネルギー庁が2013年度の最終エネルギー消費量の実績を公表した。企業や家庭のエネルギー消費量を石油・石炭・ガスなどの化石燃料のほか、電力や蒸気・熱、再生可能エネルギーを加えて集計したものである。2013年度の最終エネルギー消費量は1万3984ペタジュールで、電力量に換算して約3兆9000億kWh(キロワット時)だった。このうち電力として消費した量が4分の1を占める(図1)。
国内の最終エネルギー消費量はリーマンショックが起こった2008年度に7.0%も減少した。その後は2010年度に増加に転じたものの、東日本大震災が発生して以降は2011〜2013年度の3年連続で減少を続けている(図2)。これまでのピークだった2005〜2006年度の水準と比べると10%以上の落ち込みだ。
エネルギーの種別に見ると、消費量が最も多い石油が2005年度比で16.0%減、その次に消費量が多い電力が4.4%減である。2012年度と比べても石油は0.6%減、電力は0.1%減で、いずれも3年連続で減っている。
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