クラウドを活用した遠隔エアコン操作サービス、消し忘れ防止で省エネに:エネルギー管理
ソフトウェアメーカーACCESSは、同社のクラウド統合ソリューション「ACCESS Connect×EMS Profile」が、富士通ゼネラルのルームエアコン「nocria(ノクリア)Xシリーズ」などに搭載されているエアコン用サービス「どこでもエアコン」のプラットフォームに採用されていることを明らかにした。
ソフトウェアメーカーACCESSは、同社のクラウド統合ソリューション「ACCESS Connect×EMS Profile」が、富士通ゼネラルのルームエアコン「nocria(ノクリア)Xシリーズ」などに搭載されているエアコン用サービス「どこでもエアコン」のプラットフォームに採用されていることを明らかにした。
どこでもエアコンはスマートフォンを使って、外出先でエアコンを操作したり、運転状況や電気料金が確認できたりするサービスだ。通信プロトコル「ECHONET Lite(エコーネットライト)」に対応する富士通ゼネラルエアコン用「どこでもエアコン」アプリがインストールされたスマートフォンから、エコーネットライト対応アダプター「APS-12B」が取り付けられたスマートフォン連携機能を搭載するエアコンを、クラウドを介して連携させることで遠隔操作を実現する(図1)。
どこでもエアコンでは、スマートフォンアプリでエアコンの運転/停止やモード切替、温度・風量設定ができる他、ウィジェットでの簡単操作や、エアコンの消し忘れを知らせる機能(対応機種のみ)があり、エアコンの効率的な利用をサポートする。富士通ゼネラルは同機能のメリットについて「帰宅する前に前もってエアコンの運転を始めることで快適性を高めたり、消し忘れを防ぐことで電気料金を削減できたりするなど省エネにもつながる」としている。
なお同サービスは、富士通ゼネラルのフラッグシップモデルであるノクリアX、Z、Sシリーズなどの2015年モデルおよびX、Zシリーズの2014年モデルに対応する。
どこでもエアコンを利用するにはサービスに対応するエアコンと別売りの無線アダプターAPS-12B(税別1万6000円)、無線ルーターが必要となる。APS-12Bはエコーネットライト対応のアダプターであり、ACCESSのエコーネットライト対応ミドルウェア「NetFront HEMSConnect」をはじめとする「ACCESS Connect」の「xEMS Profile」が実装されている。今回、どこでもエアコンのアプリはこれらのソリューションをベースに開発されており、クラウド部分にACCESS ConnectのBaaSを用いて構築、運用することでサービスを実現した。
エコーネットライトはエコーネットコンソーシアムが策定した、スマートハウスやHEMSを支える日本発の標準通信規格だ。同コンソーシアムではそれまで培ってきた家電、住宅設備に関するホームネットワーク技術をより利用しやすくするため、国内外の標準化プロトコルとの連携が可能なエコーネットライト規格を2011年に発表している。家電、設備メーカー各社ではエコーネットライト規格に準拠した製品を使ってホームネットワークを構築し、省エネやセキュリティなどに関連したサービス提供を目指している。
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