電力小売り完全自由化を控え、九州電力が新料金メニューを設定:電力供給サービス
九州電力は2016年4月の電力小売り完全自由化に向け、より細かく時間帯区分を設けた新しい料金メニューを導入することを発表した。
九州電力は2016年4月の一般家庭などを対象とした電力の全面自由化に向けて、利用者のライフスタイルに合わせて選ぶことができる新しい電力料金メニューを検討している。その中で、現行の季時別電灯など時間帯別に料金を設定している一部の料金メニューについて、利用者のニーズなどを反映して、よりキメ細かに時間帯区分(季節・昼夜・平休日等)を設けた新しい料金メニューにリニューアルすることを決定した。
新料金メニューの全体像・料金などについては、今後も検討を進め、2016年1月頃に発表する予定だ。また、料金メニューのリニューアルに伴い、季時別電灯など時間帯別に料金を設定している一部の料金メニューは、2016年4月以降新規加入を停止する。
これまで、利用者が幅広く選べるようなさまざまな料金メニューを設定してきた九州電力では、2016年4月からはキメ細かく時間帯区分を設けた新料金メニューを設ける。
イメージとしては「休日昼間」は「平日昼間」に比べて安い料金とする。また「夜間時間」は利用者のライフスタイルに合わせて「21時〜翌7時」「22時〜翌8時」「23時〜翌9時」の3パターンで選べる。さらに「春・秋」は「夏・冬」に比べて安い料金とする(図1)。
新規加入を停止する料金メニューは「季時別電灯」「時間帯別電灯」「ピークシフト電灯」「深夜電力A」「深夜電力B」「第2深夜電力」(図2)。なお、2016年3月31日時点でこれらの料金メニュー加入者は4月以降も引き続き契約できる。また、新規加入停止については改正後の電気事業法に基づき新たに設定する「離島供給約款」の対象となる地域の利用者は除く。
これらの新料金メニューについては、住宅の新築やリフォームなどを予定されている利用者に向けて、同社Webサイトを活用して、告知していく。
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