ソフトバンクの2600店で4月から電力を販売、携帯電話とセット割引:電力供給サービス
東京電力とソフトバンクは2016年4月から共同販売を開始することで合意した。全国2600店のソフトバンクショップや東京電力のウェブサービスを販売チャネルに利用して、電力と携帯電話を組み合わせた共同商品を提供する。割安なセット価格やポイントサービスで顧客を引きつける。
両社は5月に共同販売の検討開始を発表して、9月末までの合意を目指して協議を続けてきた。予定よりも1週間遅れたが、10月7日に業務提携の基本合意書を締結した。双方の販売チャネルを通じて2016年4月から電力と携帯電話・通信サービスを共同で販売していく。
販売チャネルには全国で2600店ある「ソフトバンクショップ」やソフトバンクのオンラインショップのほか、東京電力が1月から開始するウェブサービス「暮らしのプラットフォーム(仮称)」を利用する。電力と携帯電話の料金プランを組み合わせたセット商品や、ソフトバンクの通信・インターネットサービスを加えた共同商品も開発する予定だ。
さらに東京電力はソフトバンクが加盟するポイントサービスの「Tポイント」を導入する(図1)。電力の契約をはじめ東京電力のサービスを利用すると、ポイントが貯まって加盟店で使うことができる。Tポイントは「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営するポイントサービスで、コンビニエンスストアやファミリーレストラン、ヤフーのオンラインショッピングなどで利用可能だ。
東京電力は同様のポイントサービスとして「Ponta(ポンタ)」に加盟することも決めており、利用者は2つのポイントサービスから選択できる。PontaはNTTドコモのサービスとポイントの交換が可能で、東京電力の利用者はNTTドコモの携帯電話と共通のポイントを貯めることもできる。
東京電力がオンラインの販売チャネルとして活用する「暮らしのプラットフォーム(仮称)」は現在提供中の「でんき家計簿」を発展させて、電力関連のほかに生活情報を幅広く提供する予定だ。Pontaを運営するロイヤリティマーケティングに加えてリクルートと提携して、リクルートの情報サービスと組み合わせる(図2)。
リクルートは自社のポイントサービスを12月からPontaに移行する予定で、ホテル予約サービスの「じゃらん」などがPontaの対象に加わる。東京電力は携帯電話やインターネットサービスの有力企業と組んで家庭向けの市場を死守する狙いだ。同時にガス会社とも提携関係を拡大して商品ラインアップを増やしていく。小売全面自由化に向けた動きが目まぐるしくなってきた。
関連記事
- 東京電力がソフトバンクと全国規模で提携へ、携帯電話サービスとセット販売
小売全面自由化に向けた東京電力の事業展開が加速してきた。携帯電話と組み合わせた新サービスを全国で展開するためにソフトバンクと提携交渉に入り、9月までに基本合意を目指す。一方で首都圏を中心に従来のサービスエリアではNTTドコモやKDDIとも協業を進めて両面作戦を展開する。 - 電気を使うとポイントがたまる、東京電力が2016年1月に新サービス開始
東京電力は全国に7000万人の会員を抱えるポイントサービス「Ponta」と提携することを決めた。2016年1月にサービスを開始する。電気を使うとポイントがたまるプログラムを提供して小売全面自由化でも競争力を発揮する狙いだ。インターネットを使った情報提供ではリクルートと連携する。 - 東京電力が提携したニチガスの競争力、関東の100万顧客とITシステム
関東一円でプロパンガスと都市ガスを販売するニチガスが、東京電力の販売代理店になって2016年4月から電力とガスのセット販売に乗り出す。100万強の顧客を抱えるニチガスはエネルギー業界でも最先端のITシステムを駆使したサービスを提供することで知られている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.