東京ガスが電力小売りに参入、電気とガスのセット割で電気市場切り崩しへ：電力供給サービス（2/2 ページ）

2016年4月の電力小売り完全自由化に向けて、小売電気事業者登録が加速している。新たに2015年10月15日には東京ガスが登録申請したことを発表し、2016年4月から電力小売りを行うとしている。

[三島一孝，スマートジャパン]

ポイントはセット割引と家庭向けサービスの提供

　東京ガスでは、電力小売りへの参入に際し、「お得・安心・簡単便利」の3つの価値を提供する方針だ。

　「お得」な価値として訴えるのが、電力とガスなどのセット割引だ。現状ではガスと電気のセットメニューを軸に、通信や各種サービスなどを組み合わせたセット割引プランを用意するとしている。料金体系については託送料金の認可などを踏まえて決定し公表する計画。また住宅・建築・設備などの事業者と協業しさまざまなセット提案の素材などを模索していくという。また独自のポイントサービスも開始する。当面は同社会員の「myTokyoGas」を対象とし、他社ポイントとの交換も可能なサービスを2016年4月に開始予定とする（図2）。

図2 セット割引のイメージ　出典：東京ガス

暮らしの安心サービスを新たに開始

　「安心」として訴えるのが、生活まわりの駆け付けサービスなどの「くらしの安心サービス」の提供だ。現在も既にくらしの安心サービスとして、ガスメーターの24時間監視を行う「マイツーホー」などのサービスを行うが、2016年4月からは、住宅における水まわりや鍵、ガラスのトラブル時に24時間365日の受付で出張や1次復旧を行うサービスを開始する（図3）。これらを合わせて提供することで、電力の導入先変更の動機につなげていきたい考えだ。

図3 生活まわりの駆け付けサービスのイメージ　出典：東京ガス

　その他「簡単・便利」な価値としては、地域の受付窓口などのほか、2016年1月から窓口体制を強化するという。さらに会員サイト「myTokyoGas」のリニューアルを行い、電気の契約や料金シミュレーション、使用量の見える化、家族構成が似ている家庭との使用量比較などが行えるようにしていくという（図4）。

図4 「myTokyoGas」のリニューアル後のイメージ（クリックでWebサイトへ）　出典：東京ガス