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湖畔の温泉で地熱発電を開始、発電後の温泉水は保養施設や農園へ自然エネルギー(2/2 ページ)

地熱資源が豊富な鳥取県の日本海沿岸部で、温泉水を利用した発電事業が始まった。100度以下の地熱でも発電できるバイナリー方式の装置を導入して、最大20kWの電力を作ることができる。さらに発電後の温泉水を近隣の保養施設や農園に供給して地熱を無駄なく利用する予定だ。

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発電後に70度の温泉水を供給

 バイナリー方式の発電装置は沸点の低い媒体を温泉水の熱で蒸発させて、蒸気でタービンを回転して発電する仕組みだ。90度の温泉水は発電に利用した後に70度くらいまで温度が下がるが、熱交換器の一部を通るだけなので成分はほとんど変化しない。

 発電後に少し低温になった温泉水は温泉組合の集湯タンクに戻してから、配管を通じて町営の2カ所の保養施設に供給することになっている(図3)。温泉水の供給開始は2016年4月の予定だ。さらに近隣の農園でも温泉水の熱をハウス栽培に利用する計画がある。


図3 温泉水の供給ルートと保養施設。出典:経済産業省

 東郷温泉は日本海につながる東郷湖の南岸に広がっている。この一帯には西日本でも有数の地熱資源の存在が確認できている(図4)。町名の湯梨浜は温泉の「湯」、地元の名産品である「梨」、日本海に広がる「浜」を組み合わせて付けられた。


図4 西日本の熱水資源(53〜120度)の分布。中国地方の日本海沿岸に広がる緑色の範囲の中で、ほぼ中央にある赤い部分が東郷温泉。出典:環境省
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