小・中学校の4分の1が太陽光設備を導入、再生可能エネルギー導入校は6年で4.6倍に:自然エネルギー
文部科学省の調査で全国の公立小・中学校の約4分の1が太陽光発電設備を設置していることが分かった。再生可能エネルギー関連設備を設置する公立小・中学校は、6年間で約4.6倍以上に増えている。
文部科学省は2009年度から2年ごとに、公立学校施設への再生可能ネルギー関連設備の設置状況を調査している。2015年12月3日に公開した2015年度の調査結果では、全国の公立小・中学校のうち、4校に1校が太陽光発電設備を設置していることが分かった(図1)。
同調査で対象とする公立学校施設は、全国の小・中学校、高等学校、幼稚園、特別支援学校。2015年度の調査結果では、太陽光発電設備を設置している学校が8617校、風力発電設備は711校、太陽熱利用設備は230校、バイオマス熱利用設備は167校、地中熱利用設備は77校、燃料電池は20校、雪氷熱利用設備は10校、小水力発電設備は7校となった(全て2015年4月1日時点)。
導入している設備では、太陽光が最も多い。中でも学校の設置数に比例し、最も導入数が多いのは小・中学校で、設置率は2013年度の17.8%から、2015年度は全体の約4分の1となる24.6%(7371校)にまで増加した。調査が始まった2009年度に太陽光発電設備を導入していた小・中学校は1202校であり、6年間で6倍以上増えたことになる。
小・中学校における再生可能エネルギー関連設備の導入推移を見てみると、2009年度にいずれかの設備を設置しているのは全体の5.6%となる1804校。2015年度は全体の27.8%となる8339校まで増えており、再生可能エネルギー関連設備を導入している学校数は、6年間で約4.6倍に増加している(図2)。
2015年度の調査では、公立小・中学校に設置されている再生可能エネルギー関連設備のうち、停電時に使用可能な機能を有している設備の数も調査した。結果は2013年度の31.6%から、 2015年度には約半数近い44.5%にまで増加。非常時の電力源として再生可能エネルギーを利用する動きも進んでいる。
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