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石を使う蓄熱技術でイチゴ栽培を省エネに、フィルム型太陽光も設置スマートアグリ(2/2 ページ)

山口県はイチゴなどの施設園芸作物の生産コスト削減を目的に、太陽光による独立電源システムと省エネルギー暖房技術を組み合わせた実証栽培設備を設置。化石燃料を使用せずに暖房コストを大幅に削減する新たな施設園芸モデルの検証を開始した。

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日中に発生する暖気の熱を“石”に貯蔵、暖房コストを削減

 もう1つの省エネルギー暖房技術が、太陽光が生み出す栽培施設内の暖気を活用する蓄熱システムだ。栽培施設が日中に太陽光を浴びると、施設内には暖められた暖気がたまっていく。通常であれば換気システムで排出してしまうこの熱を、蓄熱して再利用する(図3)。


図3 蓄熱利用システムの仕組み 出典:山口県

 システムの仕組みは、日中に施設内の暖気を空気ダクトで吸い込み、栽培槽の下に設置した栗石(ぐりいし)の層に送り込む。栗石とは石を打ち割ってつくる石材のことで、この石に日中の暖気の熱を蓄熱する。

 夜間になると熱をためた栗石は放熱を行う。この熱で気温が低下する夜間でも、暖房機などを使わずにイチゴの株を保温できるため、保温に利用する電力などのエネルギーを大幅に削減できる見込みだ。

 山口県ではこの実証栽培設備でイチゴを栽培し、実際の暖房コストや電気使用量などの数値を測定してシステムの導入効果を検証していく。

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