ニュース
農地を転用してメガソーラーに、1万4000人の町に7800世帯分の電力:自然エネルギー(2/2 ページ)
福島県の太平洋沿岸にある富岡町で大規模な発電プロジェクトが始まった。東日本大震災で被災した農地を転用して、発電能力が28MWに達するメガソーラーを建設する計画だ。富岡町が出資する発電事業者が復興支援の補助金を利用して再生可能エネルギーの導入に取り組む。
エネルギー産業で「浜通り」を再構築
福島県では浜通りの産業基盤を再構築する「イノベーション・コースト構想」に2014年から取り組んでいる。新産業の1つにエネルギーを位置づけて、太陽光や風力をはじめとする再生可能エネルギーのほかに、高効率の石炭火力発電や水素エネルギーの活用を含む10種類のプロジェクトを推進していく(図4)。
その中で最初に実施するのが「避難地域・再生可能エネルギー復興支援プロジェクト」で、富岡町を中心にした一帯が対象地域に入っている。富岡町では、もう1カ所の農地も太陽光発電の事業用地に転用することが認められた。広さは39万平方メートルあり、同様に40MWクラスのメガソーラーを建設することが可能だ。発電事業者は富岡町内に本社を置く「さくらソーラー」である。
関連記事
- 太陽光発電で全国1位に躍進、被災地に新たなエネルギーの芽生え
震災からの復興を推進する福島県で太陽光発電が急速に拡大している。沿岸部から山間部まで広大な土地にメガソーラーが続々と誕生して、災害に強い分散型の電力供給体制の整備が進んできた。農業と太陽光発電を両立させるソーラーシェアリングの取り組みも広がり始める。 - 新エネルギー産業を福島・浜通りに、発電拠点が集まる「イノベーション・コースト」
太平洋に面した福島県の浜通り地域では原子力災害によって10万人を超える住民が避難を余儀なくされた。原子力から再生可能エネルギーへ転換を図り、新しい産業が集まる「イノベーション・コースト」へ生まれ変わる構想が進む。浮体式の洋上風力や高効率の火力発電が中核の拠点を形成する。 - 希望の光は太陽だった、福島県の居住制限区域で復興資金を生むメガソーラー稼働
福島県の川俣町と戸田建設は、両者で共同で推進する「川俣町山木屋地区復興まちづくり」基本計画の最初の1歩となる「川俣町山木屋地区復興メガソーラー発電所」が完成したことを発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.