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太陽光発電だけじゃない、風力発電とバイオマス発電が続々と始まる自然エネルギー(2/2 ページ)

風力発電とバイオマス発電の取り組みが各地で活発になってきた。固定価格買取制度の認定を受けた発電設備のうち、2015年12月に運転を開始した風力とバイオマスは合わせて10万kWにのぼった。新たに認定を受けた発電設備も両方で26万kWに達して、前月の3倍以上に増えている。

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月間の買取量は全国で1000万世帯分

 バイオマスでは北海道の江別市で稼働した「王子グリーンエナジー江別」の発電設備が25MWで最大だ(図3)。王子グループが製紙工場に建設した発電設備で、道内の山林で発生する間伐材などの未利用木材を燃料に使う。年間の発電量は1億5000万kWh(キロワット時)に達して、一般家庭の4万世帯分を超える電力になる。


図3 「王子グリーンエナジー江別」の木質バイオマス発電設備の全景。出典:王子ホールディングス

 このほかにも青森県の平川市で「津軽バイオマスエナジー」(発電能力6.25MW)、奈良県の大淀町で「クリーンエナジー奈良」(同6.5MW)が未利用の木質バイオマスを使って12月に運転を開始した。さらに廃棄物を利用したバイオマス発電が東京都の練馬区で始まっている。建て替え工事を完了した「練馬清掃工場」で、18.7MWの発電設備が12月から運転中だ。

 新たに認定を受けたバイオマス発電設備を見てみると、福岡県の豊前市でPKS(パームヤシ殻)を燃料に利用するプロジェクトがある。発電能力は75MWを予定しているが、今のところ運転開始の時期は未定だ。北海道の石狩市でも同様にPKSを燃料に使う50MWのバイオマス発電設備が認定を受けている。

 2015年12月に日本全体で買い取った再生可能エネルギーの電力量は30億kWhに達した(図4)。一般家庭の月間使用量(300kWh)に換算すると1000万世帯分に匹敵する。買取量のうち太陽光が57%、風力が20%、バイオマスが18%、中小水力が5%を占める。前年12月と比べると1.35倍の規模に拡大した。


図4 月間の買取電力量の推移(画像をクリックすると拡大)。単位:万キロワット時。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

 2015年1月〜12月の年間の買取量は398億kWhにのぼった。前年は260億kWhだったことから1.5倍以上に増えている。電力会社10社の2015年の発電量(他社からの受電を含む)は約8600億kWhで、そのうちの5%弱を固定価格買取制度による再生可能エネルギーが占めたことになる。

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