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あるのかないのか「島根・山口沖油田」、掘削による本格調査を開始:自然エネルギー(2/2 ページ)
経済産業省 資源エネルギー庁は、島根県および山口県沖合において、石油・天然ガスの存在の確認を目的とした掘削調査を6月から開始した。
島根・山口沖に石油は眠る?
この「資源」における調査により、島根県浜田市北西約130キロメートル、山口県萩市西北西約140キロメートルの海底下に位置する地下構造に石油や天然ガスなどの資源が埋蔵されている可能性があるため、今回掘削調査を行うことを決めた。今回の構造において掘削調査を実施するのは初めてだという(図3)。
掘削作業は半潜水型移動式掘削リグで実施する。試作期間は2016年6月5日〜8月の予定としている(図4)。
今回の調査の結果、商業規模の石油・天然ガスの生産が実現されれば、国内資源としてエネルギーセキュリティー向上に貢献することが期待される。
今後は2016年度内に得られたデータの詳細な解析・評価作業を実施し、掘削地点周辺の石油・天然ガスの存在状況を確認する。その後、今回の掘削調査の結果を基に、国際石油開発帝石が、地質層序の解析、石油・ガスシステムの評価を行って埋蔵量を評価し、商業生産の可能性について検討を行うという。
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