ゴルフ場が14MWのメガソーラーに、9ホールで3930世帯分を発電:自然エネルギー
用地を造成する手間が少ないメリットを生かし、ゴルフ場にメガソーラーを建設する事例が増えている。オリックス・ゴルフ・マネジメントは同社が運営する島根県出雲市のゴルフ場に、出力14MWのメガソーラーの建設を開始した。
オリックスグループのゴルフ場運営会社であるオリックス・ゴルフ・マネジメントは、島根県出雲市で運営する「いづも大社カントリークラブ」において、このほど大規模太陽光発電所(メガソーラー)の開発に着手した。
同事業は2015年11月まで運営していた「華蔵(はなくら)コース」(9ホール)を活用して太陽光発電事業を行うもので、約5万6577平方メートルの敷地に、約5万680枚のパネルを設置する(図1)。最大出力は約14MW(メガワット)、年間予想発電量は約1418万kWh(キロワット時)を見込んでいる。これは一般家庭の電力消費量約3930世帯分に相当する。2017年12月から売電を開始する予定だ。施工は日本コムシスが担当する。
オリックス・ゴルフ・マネジメントは全国でゴルフ場39カ所、練習場2カ所を運営している。このゴルフ場の中から、2014年1月に「ディアレイク・カントリー倶楽部」(栃木県鹿沼市、最大出力2.5MW)で最初の太陽光発電事業を開始した。続いて2014年9月に「比良ゴルフ倶楽部」(大津市、最大出力0.7MW)に展開し、今回の出雲大社カントリークラブが3カ所目となる。
オリックスグループでは、太陽光発電事業をはじめ、地熱、木質バイオマスなどの再 生可能エネルギーによる発電事業、電力小売事業、ESCOなどの省エネルギーサービス事業、蓄電池レンタルサービス事業など、幅広い領域でエネルギー関連ビジネスを手掛けている。
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