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ドイツでのノウハウを日本で生かす、捨石の集積跡地にメガソーラー:太陽光
双日グループは2010年から日本国内でドイツで行っているメガソーラー事業のノウハウを生かした太陽光発電所を建設するプロジェクトを進めている。このほど同プロジェクトにおける4カ所目のメガソーラーが福岡県飯塚市に完成した。石炭の採掘に伴い発生する捨石(ボタ)の集積跡地を活用している。
総合商社の双日とグループ会社の双日九州が出資する未来創電上三緒(福岡県飯塚市)は、飯塚市で建設していたメガソーラー「飯塚上三緒太陽光発電所」が完成し、このほど商業運転を開始したと発表した(図1)。
同発電所は、双日が2010年からドイツで行っているメガソーラー事業のノウハウを生かして日本国内で展開する太陽光発電事業の1つ。2014年10月の北海道小清水町(合計出力9.14MW)、同年12月の熊本県錦町(同約12.77MW)、2015年9月の愛知県美浜町(同約12.9MW)での建設に次ぐ4カ所目のメガソーラーとなる。
未来創電上三緒は、双日グループが60%、地元企業で再生可能エネルギー発電事業に取り組むFASエコエナジー(福岡県桂川町)が40%を出資し、2015年2月に創立。飯塚市は豊富な日射量に恵まれた地域で、発電所は過去の石炭の採掘に伴い発生した捨石(ボタ)の集積跡地を有効活用して取り組んでいる。
同発電所の敷地面積は25万8042平方メートル。発電出力は約13.5MWで、年間発電量は一般家庭約4000世帯分の電力消費量に相当する量を見込んでいる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して九州電力へ売電する計画だ。
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