ニュース
関西電力がオリックス電力の事業を買収、首都圏での顧客拡大を狙う:電力供給サービス
関西電力が、首都圏に多く顧客を抱えるオリックス電力の高圧一括受電事業の買収を決めた。電力自由化で競争が激化する中、首都圏での顧客拡大の足掛かりとしたい考えだ。
関西電力は2017年9月11日、オリックスの子会社でマンション向け電力販売を展開するオリックス電力から、高圧一括受電事業を譲り受ける株式譲渡契約を結んだと発表した。オリックス電力は首都圏に約6万3000件の顧客を抱える。電力自由化で関西エリアの顧客獲得競争が激化する中、首都圏での顧客基盤拡大の足掛かりとしたい考えだ。
オリックス電力はオリックスと大京が2010年に設立。マンション1棟分の電力供給をまとめて行う高圧一括受電事業を展開している。今回の買収では、オリックス電力が会社を分割して高圧一括受電事業を行う完全子会社「Next Power」を作り、事業を移管。その後、2017年10月31日をめどに関西電力がNext Powerの全株式を取得し、連結子会社とする。
2016年4月から始まった電力の小売全面自由化で、関西地域では競争が激化している。全面自由化からの1年間で、関西電力管内で家庭向けの低圧電力の切り替えを行った顧客数は、72万件にのぼる。関西電力は「高浜原子力発電所」の3、4号機が再稼働したことを受け、2017年8月から関西エリアでの電気料金を4.29%値下げし、競争力の強化を図った。一方、大阪ガスをはじめとする競合企業も追従して一斉に値下げを実施するなど、競争は激しさを増している。
関連記事
- 「IoTの新たな可能性探る」 インテルと関西電力がスマートホームの実証実験を開始へ
インテルは、関西電力などと家庭向けIoTプラットフォームの実証実験を開始する。関西電力の家庭向けサービス「はぴeみる電」の利用者100世帯を対象に、環境センサーとゲートウェイを設置。センサーから収集したデータを基に、個々に最適化したサービスを提供することを目指す。 - 関西電力の「赤穂発電所」、石炭への燃料転換を中止
関西電力は兵庫県赤穂市の火力発電所である「赤穂発電所」の燃料転換計画の中止を発表した。石炭への切り替えを中止し、これまで通り重油・原油を利用した運用を継続する。関西の電力需要の減少や、CO2排出量の削減に向けた対策の強化が求められていることなどが理由としている。 - 電力網を進化させる「仮想発電所」、関西電力など14社が実証開始
関西電力など14社は、関西地域で仮想発電所の構築に向けた実証を開始した。家庭用から産業用まで、さまざまなエネルギー機器を統合管理できるシステムを構築し、検証を行っていく。 - 中小企業が電力の契約先を変えない理由、1位は「現状に不満なし」
大同生命が国内中小企業4378社を対象に実施した独自調査によると、電力自由化に伴い電力購入先を変更した企業は、約1割程度。変更しない理由の1位は「今の電力会社に不満がない」だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.