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IoTでEV用充電器の運用コストを削減、IKEAで実証開始:エネルギー管理
日東工業と豊田自動織機は、電気自動車やプラグインハイブリッド車用の充電スタンドの充電電力を制御する実証を開始。複数台同時に充電する場合でも、店舗の既存電力設備や電気料金の制約内で充電できるようにする。
複数台同時充電時のピーク電力を抑制
日東工業と豊田自動織機は2017年10月、共同開発した電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)用の普通充電スタンドを愛知県長久手市の「IKEA長久手」に設置し、IoTを活用した充電電力制御の実証実験を開始した。複数台充電時のピーク電力を抑制し、充電スタンドの運用コスト削減を目指す。
EVやPHEVが普及する中、インフラとして充電設備の整備が進んでいる。特に、集客力のある大型公共施設や商業施設では、複数台の充電が可能な充電設備の導入が期待されている。一方で、電力設備への投資や電気代などの運用コストが導入への障壁となっている。
今回の実証実験で設置する充電スタンドには、独自開発の「スマート充電システム(仮称)」を搭載。IoTを活用して、遠隔で充電に使用する電力量の制御が可能となる。これにより、充電設備全体が消費するピーク電力を抑制し、施設の既存電力設備や電気料金の制約内で複数台同時の充電が達成できることを検証する。
運用開始日は、2017年10月11日。充電ケーブル付きのEV、PHEV用200V普通充電スタンドを9基設置し、利用料金は無料としている。
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