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日本初の再エネ100%大学、電力地産地消と学生指導に貢献:自然エネルギー(2/2 ページ)
千葉商科大学は、日本初をうたう「自然エネルギー100%大学」を2020年度までに目指すと発表した。地域分散型エネルギー社会実現への研究や学生指導に役立てるという。
地域分散型エネルギー社会の実現と学生の学びに貢献する
自然エネルギー100%大学の取り組みは、同大が2016年5月に設立した「CUCエネルギー株式会社」が大きな役割を担う。同社は、千葉商科大学のネット・ゼロ・エネルギー・キャンパスの実現に向けた事業化を推進する役割を持ち、同大への省エネ機器や再生可能エネルギー発電設備の導入、ESCOサービスを提供する。その他にも、プロジェクトに必要な資金調達や各種契約など実務面のまとめ役になるという。
将来的には、同大が所在する東葛北総地域で盛んな畜産由来のバイオマス発電の導入や、同大へのサービス提供から得た経験によって他の地域、機関へのサービス提供も検討しているという。
また、同社へ学内インターンシップの形で、学生にプロジェクト推進に必要な金融機関との融資協議立ち合いや経理会計業務の実践などを与えることが可能となる。学生は省エネ意識を醸成しながら、環境ビジネスの実務機会を体験できることになり、この取り組みは同大の魅力向上につながるとする。
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