日本の最終エネルギー消費は6年連続で減少、電力は3年振りの増加に
資源エネルギー庁は2016年度のエネルギー需給実績の速報値を公表。最終エネルギー消費は前年度比1.0%減となり、6年連続で減少した。
資源エネルギー庁は2016年度(平成28年度)の総合エネルギー統計速報を作成し、このほどエネルギー需給実績として取りまとめた。最終エネルギー消費は、1万3622PJ(ペタンジュール、10の15乗ジュール)で、前年度比1.0%の減少となった。最終エネルギー消費の減少は6年連続となる。
同年度の電力は3年ぶりの増加となる同1.5%増となった。家庭部門は猛暑厳冬が影響し、電力を中心に唯一増加した。企業・事業所他部門は、経済成長による消費増を省エネへの取り組みなどで相殺し、トータルでは減少となっている。最終消費を部門別に見ると、企業・事業所他が同1.4%減(うち業務他は同0.9%減)、家庭が同0.6%増、運輸が同0.7%減と、家庭を除く全部門で減少。電力消費は、企業・事業所他部門が同1.9%増、家庭部門は4年ぶりとなる同0.7%の増加となった。
一次エネルギー国内供給は、前年度比0.3%減。化石燃料は3年連続で減少する一方、再エネおよび原子力などの非化石燃料は4年連続で増加した。発電電力量は、前年度比2.1%増。ゼロエミッション電源の割合は17.0%(前年度比1.6%p増)に拡大した。エネルギー自給率は、前年度比1.0%増の8.4%(IEAベース)。一次供給のシェアは、発電で再エネ普及と原発再稼働が進み、再エネ(未活用エネ含む)と原子力は各前年度比0.6%ポイント(%p)増、同0.4%p増。一方、石油と石炭は、各同1.2%p減、同0.5%p減と縮小している。天然ガスは、発電用と都市ガス用がともに増加し同0.8%p増。発電電力量は1兆506億kWh。発電電力量の構成は、再エネが15.3%(前年度比0.8%p増)、原子力が1.7%(同0.8%p増)、火力が83.0%(同1.6%p減)となった。
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