19.8kwの小型風力に20年保証、日本で使えるデンマーク製:自然エネルギー
1kWh当たり55円と、FIT制度の中で最も高い買い取り価格が設定されている小型風力。20年の製品保証付きの製品が登場した。
CPOWER(横浜市)は、同社が取り扱うデンマークのSolid wind power社の小型風力発電機「SWP-19.8kW」に20年保証モデルを用意し、2018年1月1日から販売を開始する。ナセル、ブレード、タワーの通常5年のメーカー保証を20年に、パワーコンディショナーのメーカー保証を1年から10年に延長するという。
SWP-19.8kWはSolid wind power社が日本仕様向けに開発した小型風力発電機。2017年7月に日本海事協会のNK認証を取得している。既に秋田県男鹿市に導入事例があり、2017年11月に東北電力と接続契約を結んだという。
今回、新たに販売する20年保証モデルは、国内大手損害保険会社が再保険を引き受けたことで実現した。保証範囲はSolid Wind Power社の講習を受け、指定の方法に従った設置工事を行い、定められた定期メンテナンスを行い、正常な使用状態で発生した自然故障としている。プログラム修正(シーケンス)変更も対象となる。
CPOWERによると、小型風車では稼働から10年以上が経過すると、故障や事故が急増する傾向にあるという。その要因の大半は原因不明と風車内故障が占めており、20年にわたるFIT売電事業においてこうした長期保証は有効としている。
なお、修理サービスは、修理または保険対象と同型もしくは同型同等の未使用品の引き渡しとなる。点検調整、移設、各種配管などの接続、部品交換を伴わない修理、付属部品の交換は保証対象外としている。
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