三菱地所レジが全戸採用、「省エネ+停電対応」をエネファームで:スマートホーム
三菱地所レジデンスは東京ガスのガス供給区域で販売する住宅に、エネファームを標準搭載する。停電時の長期連続運転が可能なレジリエンスモデルを採用し、省エネと停電対策の機能を担う。
三菱地所レジデンスは、東京ガスの導管エリア外を除いたガス供給区域で販売する戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウスステージ」全戸に、家庭用燃料電池「エネファーム」を標準採用することを決定したと発表した。
エネファームは、都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、その際に出る熱を給湯に活用できる。電気をつくる場所と、使う場所が同じであるため送電ロスが少ないなど、省エネと省CO2効果および電力ピークカットに貢献可能な分散型エネルギーシステムだ。停電発生時には、エネファームの電力を供給することもできる。
今回、三菱地所レジデンスは停電時の電気使用など、非常時にもエネルギーを継続的に確保する「エネルギーセキュリティ」に対するニーズが高まっていることや、東京都が防災対策を推進していることなどを受け、都内の東京ガス供給区域の物件に、停電時発電継続機能を内蔵したエネファームのレジリエンスモデルを原則標準採用することにした。
レジリエンスモデルは一般モデルの性能に加えて、停電時に電気を使いたいというニーズに従来以上に対応しやすくするため、スタックの連続発電性能を向上させているのが特徴だ。従来品の約2倍となる、最長約8日間(192時間の継続発電が可能になっているという。また、従来品はエネファームが発電していないときに停電が起きた場合、別付タイプの自立起動用オプション品で起動させる必要があったが、同モデルでは、起動時に必要な電流耐性の見直しなどにより、停電中にエネファームが停止していた場合でも、市販の蓄電池や発電機などのAC100V電源でエネファーム起動が可能できる。
三菱地所レジデンスでは、今回エネファームを全戸標準採用するザ・パークハウスステージについて、年間約300戸の供給を目標としている。
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