スマートホームの推進役は建材、スマホでお湯はりやZEH推進も:スマートホーム(2/2 ページ)
LIXILは2017年12月4日、家電や建材をIoT(モノのインターネット)により接続する「リンクシステム」を発表した。建材とAIスピーカーを連携させた国内初(同社調べ)のシステムとなる。
リンクシステムはHEMSとホームセキュリティの融合、ZEH推進の役割も
同社は、これまで独立して家に存在していたHEMSおよびセキュリティ機器などのホームシステムを連携させることを目指し、これがリンクシステムのアイデアとなった。リンクシステムで主役となる装置は、従来のHEMSが管理していた機器を制御するホームコントローラーおよびセキュリティ機器を制御するリンクコントローラー。これらコントローラーをルーターで接続し、スマートフォンのアプリによって一括管理できることがリンクシステムのポイントとなる。
スマートホーム標準通信規格である「ECHONET Lite」の採用や、施主の希望により赤外線集中リモコンを導入することで、ホームコントローラーは幅広い建材や家電につながることができる。太陽光パネルや蓄電池、スマートメーターとの連携も可能だ。リンクコントローラーとホームコントローラーに接続されたセンサー、建材、家電は「アシストルール機能」により、自由にルールを作り機能を組み合わせることが可能であり、リンクシステム導入後に施主自身で機能追加することも容易だ。Web連携サービス「IFTTT」との対応も予定するという。
各部屋に設置された温湿度センサーなどをリンクコントローラーに接続し、家中の温熱環境を一元的にモニタリングすることで、エアコンと自然換気の協調制御も可能になる予定だ。同社は建材メーカーとして、ドアやサッシなど温熱性能の高い商品をラインアップに取りそろえており、リンクシステムと組み合わせることによって新築戸建のZEH化を強力に推進する見込みだ。
また、リンクシステムを実際に販売する販売店や工務店の商品理解コストも低く抑えられていることが特長だ。施工に関しては、監視カメラの設置を除き各種コントローラーやセンサーの設置に特別の技能は不要といい、「1回程度の施工経験があれば、十分に商品に習熟し他の現場に展開できる」(同社担当者)という。販売障壁を下げることにより、販売店や工務店の積極的な拡販に期待を寄せる。まずは新築戸建に注力し、当面の販売目標は1万戸としている。
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