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EVの使用済みバッテリーで再エネ導入を支援、中電とトヨタが実証:蓄電・発電
中部電力とトヨタ自動車は、電動車の駆動用電池をリユースした大容量蓄電池システムの構築と、使用済み電池のリサイクルについて実証を開始する。
中部電力とトヨタ自動車は、電動車の駆動用電池をリユースした大容量蓄電池システムの構築と、使用済み電池のリサイクルについて実証を開始することとし、このほど、基本合意書を締結したと発表した。
今回の基本合意は、トヨタの電動車から回収した電池を、中部電力が蓄電池システムとしてリユースし、電力系統のさまざまな課題に応じて活用していくことを目指すものだ。単体として性能が低下した電池であっても、多数の電池を組み合わせることにより、再生可能エネルギー導入の拡大に伴う需給調整への活用や、周波数変動および配電系統の電圧変動への対応などが可能になると考えている。また、こうした電力系統の課題解決に加え、火力発電所の合理的な運用も期待できるという。
2018年度には蓄電池システムの実証を開始し、その結果を踏まえ、2020年度には発電出力約1万キロワット(kW)・電池1万台相当分の導入を目指す。リユースする電池は、現在ハイブリッド車(HV)を中心に大量に使用されているニッケル水素電池に加え、2030年度頃の蓄電池システムでは、今後普及が見込まれる電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)で使用されるリチウムイオン電池も活用する予定だ。
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