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蓄電池で系統の周波数・需給調整、日本工営が英国でサービス提供開始:蓄電・発電機器
日本工営は、電力系統で需給バランス調整・周波数維持を行う蓄電池制御システム「NK-EMS」を開発し、周波数調整サービスを英国電力会社に提供する。
日本工営(東京都千代田区)は、電力系統で需給バランス調整・周波数維持を行う蓄電池制御システム「NK-EMS」を開発し、周波数調整サービスを英国電力会社であるNational Grid社に提供すると発表した。
世界的に再生可能エネルギーの導入が進む中、系統安定性の確保が各国で求められており、英国においては調整力の調達市場を送電系統運用者であるNational Grid社が整備・運営している。
日本工営が開発したNK-EMSは、系統の周波数変動をリアルタイムに検出し、周波数が低下した場合には放電、上昇した場合には充電することによって周波数を規定範囲内に自動調整するFFR(Firm Frequency Response)サービスを提供する。英国サウスウェールズに設置し、周波数調整に加えて容量市場への需給調整サービスも提供する。
また、NK-EMSは蓄電池の特性を活用して、系統の周波数・需給調整機能のみならずピークカット、ピークシフトなどさまざまな電力制御の活用が可能なマルチサービス機能を組み込むことが可能だという。今後は、各蓄電池メーカーの製品にも接続可能としたマルチベンダー対応を図るとする。
同社は、電力自由化で先行する英国で事業運営ノウハウを蓄積し、エネルギーマネジメントに関するハードおよびソフト両面で、サービスおよび電源設備のEPC提供を目指すという。
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