ハーフセル採用で発電ロスを75%削減、トリナが新型モジュール:太陽光
トリナ・ソーラー・ジャパンは、メガソーラーや産業向けの太陽光モジュールの新製品となる新型「SPLITMAX」シリーズを発表した。セルを2分の1サイズにカットしたハーフカットセルの採用などで、モジュール1枚あたりの発電量を約10W増加させた。
トリナ・ソーラー・ジャパンはこのほど、メガソーラーや産業向けの太陽光モジュールの新製品となる新型「SPLITMAX」シリーズを発表した。1500Vストリングに対応し、多結晶120セルの「PE05H」、同144セルの「PE14H」、単結晶120セルの「DE05H(II)」、同144セルの「DE14H(II)」をラインアップする。
新製品は、セルを2分の1サイズにカットしたハーフカットセルを採用することにより、セルの電流値を半分に下げ、セル内部の発電ロスを約4分の1に低減している。また、LRF(Light Redirecting Film)を用いることで、さらに高出力を得ることが可能になり、モジュール1枚あたりの発電量が約10ワット(W)増加した。
また、セルストリングスを分割し並列に接続を行う新しい配線技術を採用したことにより、パネルに生じる影によって引き起こされる出力損失を大幅に低減させることが可能となった。ヨーロッパやアメリカでは主流となっているモジュールの縦置きで設置を行えば、下部に影がかかった場合においても上部は影の影響を受けずに発電し、出力ロスを抑えることができる。
同社は新型SPLITMAXモジュールの導入によって、「FIT価格が下がる中、より大きな発電量で収益性に貢献する」としており、これまでの住宅用の単結晶に加え、新製品の多結晶モジュールをメガソーラーや商業・産業用向けに提案する。
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