複数年の日射情報を比較可能に、NEDOが「日射スペクトルデータベース」刷新:太陽光
NEDOが国内5拠点の日射データをまとめた「日射スペクトルデータベース」を刷新。3年分のデータを追加し、複数年の日射データを比較できるようになった。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、Web上で公開している「日射スペクトルデータベース」の機能を拡充し、2018年6月1日付けで公開を開始した。
NEDOは、「日射量データベース(「年間時別日射量データベース(METPV-11)」「年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」「全国日射量マップ」「日射スペクトルデータベース」および「アジア標準日射量データベース」など、日射に関するさまざまなデータベースを公開している。このうち日射スペクトルデータベースは、北海道(長沼町)、茨城県(つくば市)、岐阜県(岐阜市)、佐賀県(鳥栖市)、鹿児島県(沖永良部島)の国内5地点での傾斜面と水平面での日射スペクトルデータを気象データとともにデータベース化したもので、表示ソフトを用いたデータの閲覧・ダウンロードが可能だ。
今回、この「日射スペクトルデータベース」に2012年末〜2015年末まで3年間のデータを加えて機能拡充した。これにより、これまで約1年分にとどまっていた従来期間のデータと合わせて、複数年の日射スペクトルデータの閲覧が可能になり、年ごとの収録データの違いを考慮した日射スペクトルの特徴が分かるようになった。
今後、太陽光発電事業者による特定の年の気象状況によらない、より標準的で高精度な発電量評価や、太陽電池メーカーによる高効率な次世代太陽電池の開発に向けた研究などに、同データベースの活用が期待される。
なお、同データベースは、2015〜2019年度に実施したNEDO事業において、日本気象協会が開発した成果である。
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