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落差109メートルで330世帯分を発電、前橋市に小水力発電所:自然エネルギー
前橋市で市が建設を進めていた小水力発電所が完成し、発電を開始した。売電収益は環境基金に活用する。
前橋市が同市の富士見町赤城山の林道沿いに建設を進めていた小水力発電所「まえばし赤城山小水力発電所」が完成し、2018年8月から発電を開始した。
前橋市では、地球温暖化対策を推進するため、これまでにも再生可能エネルギーの導入を進めてきた。その一環として、東日本大震災以降の急速な再生可能エネルギー機運の高まりや固定価格買取制度の後押しを背景に、発電事業に一定規模の発電出力と採算性が見込まれることもあり、今回、赤城大沼用水を活用した同発電所を建設した。総工事費は約4億7700万円。
事業区間(赤城大沼用水)は延長が約1190m、総落差は約109m。出力規模は最大236kW、常時131kWとし、年間発電量は一般家庭330世帯分の年間使用電力量に相当する約1195MWh(メガワット時)を見込む。年間の売電収益は約400万円を見込み、収益は「絆でつなぐ環境基金」に積み立てる。
絆でつなぐ環境基金は、環境に関する施策及び震災などによる被害を受けた地域の環境再生等を推進するため設立された。2013年度以降、大規模太陽光発電の売電収益などを積み立て、住宅用の高効率給湯器設置費助成金や被災地環境再生支援事業などに活用している。2017年度末の積立残高は約9600万円となっている。
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