山形県で最大級のバイオマス発電所、燃料の4割を国産材で:自然エネルギー
住友商事の子会社であるサミットエナジーが、山形県酒田市に建設を進めてきたバイオマス発電所が完成。県内最大、東北地域でも最大級のバイオマス発電所になるという。
住友商事の100%子会社サミットエナジー(東京都千代田区)が、事業会社のサミット酒田パワー(山形県酒田市)通じて山形県酒田市で建設を進めてきた「酒田バイオマス発電所」が完成し、2018年8月23日に営業運転を開始した。
酒田バイオマス発電所は、酒田北港に位置する酒田臨海工業団地内に建設。サミットエナジーが2012年12月に設立したサミット酒田パワーが事業主体として建設および運営を担当する。発電容量は5万kW(キロワット)で、一般家庭の約10万世帯分に相当する年間発電量を見込んでいる。山形県で最大、東北で最大級のバイオマス発電所になるという。
バイオマス燃料は、住友商事の生活資材・不動産本部を窓口として国産木質チップおよび輸入木質ペレットなどを調達する。国産木質チップは、山形県産を中心とした未利用材や林地残材などを活用し、バイオマス燃料の約4割を賄う。輸入木質ペレットなどは国外から幅広く調達する。また、発電した電気はサミットエナジーを通じて、電力需要家向けに販売する。
なお、今回の事業の総事業費は約250億円。このうちの20億円については、山形県の制度融資である山形県商工業振興資金の産業立地促進資金を活用して、山形銀行が融資を行っている。
サミットエナジーは事業会社を通じて、今回の酒田バイオマス発電所の他、稼働中の糸魚川バイオマス発電所(5万kW)および半田バイオマス発電所(7.5万kW)の計3カ所の大型バイオマス発電所を保有・運営するなど、国内最大級のバイオマス発電事業者となるという。
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