ため池に2.5万枚の太陽光パネル、西日本最大級の水上メガソーラー:自然エネルギー
兵庫県稲美町に西日本最大級の水上メガソーラーが完成。ため池に浮かべた約2.5万枚の太陽光パネルで、年間1900世帯分に相当する発電量を見込む。
二川工業製作所(兵庫県加古川市)が、兵庫県稲美町のため池で建設を進めてきた水上メガソーラーが完成し、2018年10月31日から稼働を開始した。ため池に2万5860枚の太陽光パネルを浮かべる、西日本最大級の水上メガソーラーだ。
発電所を建設した「広谷池」は、1696年に築造した歴史あるため池で、面積は14.5ha(ヘクタール)、総貯水量約60万m3。このうち6.8haにライトウェイジャパン製の太陽光パネルを浮かべた。周辺地域への射光・射熱の影響や、池のメンテナンスを考慮し、池底の外周から20m以上離してパネルを設置したという。
なお、太陽光パネルを浮かべるフロート架台はタキロンエンジニアリング製、パワーコンディショナーはSMAソーラーテクノロジー製を採用した。EPCは日本コムシスが担当している。
発電所の最大出力は6.8MW(メガワット)、連系出力5MWで、年間発電量は一般家庭約1900世帯分に相当する約790万kWh(キロワット時)を見込んでいる。発電した電力は「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」を利用して関西電力に売電する。売電単価は24円/kWh。
総事業費は18億円で、三井住友ファイナンス&リースが発電設備に対するリース・ファイナンスを提供した。
建設機械製造などを手掛ける二川工業製作所は、これまでのも複数の水上太陽光発電所の開発実績があり、今回の発電所が14カ所目となる。同社が本拠を置く兵庫県は日本で一番ため池が多く、今後もこうした水面を活用した発電所の開発に取り組む方針だ。
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