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世界記録の効率24.06%、中国LONGiが単結晶PERCセルで達成:太陽光
中国の大手パネルメーカーであるLONGi Solarが、商用サイズのウエハーを使用した単結晶シリコンPERC型の太陽電池セルで、エネルギー変換効率24.06%を達成。商用サイズのウエハーを利用したものでは、世界最高記録の変換効率になるという。
中国の大手パネルメーカーであるLONGi Solarは2019年1月、商用サイズのウエハーを使用した単結晶シリコンPERC型の太陽電池セルで、エネルギー変換効率24.06%を達成したと発表した。商用サイズのウエハーを利用したものでは、世界最高記録の変換効率になるという。
PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)は、太陽電池セル裏面のシリコンとアルミニウム電極界面で起こる再結合によるエネルギー損失を、誘電体層(パッシベーション層)を導入することで低減する構造。結晶シリコン太陽電池のセルを改善する手法の1つとして採用が広がっており、中国の太陽光発電普及施策「トップランナー・プログラム」においても、中心的な技術開発ポイントとして位置づけられている。
今回開発した太陽電池セルの変換効率の測定は、中国の認証試験機関であるCPVTが実施した。156.75mm(ミリ)四方のウエハーを利用しており、標準試験条件(STC)におけるI-V曲線特性測定で、表面の変換効率24.06%を達成した。
同社は2018年2月に、同じ単結晶シリコンPERC型の太陽電池セルの変換効率で、世界新記録となる23.6%を達成していた。今回この自社の記録を、さらに塗り替えた。
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