卒FIT太陽光の余剰電力を予測、日本気象協会が新サービスを展開:太陽光
日本気象協会が卒FITを迎える住宅太陽光を対象とした、余剰電力の予測サービスを開始。卒FIT太陽光の余剰電力を買い取るリソースアグリゲーターや小売電気事業者の支援を目的としたサービスだ。
日本気象協会は2019年11月、卒FIT太陽光ユーザーに余剰電力買取サービスを提供する事業者向けの支援サービスを開始すると発表した。第1弾として、太陽光発電の出力予測サービスを展開する。
2019年11月から、再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」に基づく電力の買取期間が満了となる住宅用太陽光発電、いわゆる卒FIT太陽光が登場し始めている。FITの対象外となる太陽光発電の電力には環境価値が認められるなどの理由から、大手電力会社をはじめ、多くの企業がこの卒FIT太陽光発電の余剰電力買取サービスを開始している。
卒FIT太陽光の余剰電力を、経済的かつ効果的に活用するためには、各世帯で発生する余剰電力量を事前に高精度で予測することがポイントになる。卒FIT世帯の余剰電力は、太陽光発電量から自家消費量を差し引くことで算出できるが、これらの電力量は気温や日射量などの影響を受けて大きく変動する。
そこで日本気象協会では、卒FIT太陽光向けのサービスを提供する小売電気事業者やリソースアグリゲーター向けに、予測サービスを提供する。第1弾ではまず太陽光発電システムそのものの発電量予測を、さらに2020年3月をめどに卒FIT世帯を予測対象とした電力需要予測および余剰電力予測などのサービス拡充を行う計画だ。
これらの予測サービスは、一般家庭の屋根上の太陽光発電や電力需要に関する予測条件を設定し、地域性についても考慮しているという。30分ごとの太陽光発電出力、電力需要量、余剰電力量を、電力エリアまたは都道府県単位で、最大78時間先まで予測できる。これらの情報はインターネット回線を通じて1日48回(30分ごと)配信する。
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