パナソニックが水素ステーションを新設、再エネ電力とガス改質を組み合わせ:電気自動車
パナソニックは、次世代エネルギーとして関心が高まる水素の実用性を検証するため、滋賀県草津市にあるアプライアンス社草津拠点構内に水素ステーション「H2 Kusatsu Farm」を建設し、同ステーションから水素補給した燃料電池フォークリフトの構内運用を開始した。
パナソニックは2019年11月18日、次世代エネルギーとして関心が高まる水素の実用性を検証するため、滋賀県草津市にあるアプライアンス社草津拠点構内に水素ステーション「H2 Kusatsu Farm」を建設し、同ステーションから水素補給した燃料電池フォークリフトの構内運用を開始したと発表した。
H2 Kusatsu Farmは、太陽光パネルの電力で水を電気分解して水素を製造する水電解水素製造装置と、家庭用燃料電池「エネファーム」で培った技術を生かして開発を進めている、ガス改質による小型水素製造装置の2つの方式を採用し、天候に左右されず安定的に水素を供給できる。
水素の充填圧力は35MPa、充填能力は29Nm3/日、設置面積は10m2(5m×2m)。1日に燃料電池フォークリフト約2台分の水素を製造する能力を有し、約3分間でフル充填(じゅうてん)できる。そのため長時間の充電が必要なバッテリー式フォークリフトに比べ、時間的なロスがなく効率的に稼働できるという。水素を充填したフォークリフトは構内のエネファーム工場の完成品などの運搬に用い、水素エネルギーの安定運用や経済性などを検証しながら、水素製造装置の技術開発を加速していく。
同社は、2009年に都市ガスから生成した水素を用いて電気と熱を作り出す「世界初」(同社)の家庭用燃料電池を日本で発売して以来、発電耐久時間の向上、高効率化、コンパクト化などの進化に力を注ぎ、現在は欧州7カ国にも展開するなど、燃料電池事業を発展させてきた。これらの実績を踏まえ、水素を燃料として効率的に発電する純水素燃料電池の開発も進めており、2012年以降、各プロジェクトで実証実験を重ね、2021年4月をめどに純水素燃料電池を製品化する計画である。
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