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発電に不向きな“竹”を使える、混焼バイオマス温水ボイラーを新開発:自然エネルギー
テス・エンジニアリングが竹チップ混焼バイオマス温水ボイラー「E-NE(イーネ)シリーズ」を2020年1月下旬から販売開始。発電に不向きとされている竹をバイオマス燃料として利用できるシステムだ。
テス・エンジニアリングは巴商会、エム・アイ・エスとの3社共同開発製品である竹チップ混焼バイオマス温水ボイラー「E-NE(イーネ)シリーズ」を2020年1月下旬から販売開始した。発電に不向きとされている竹を燃料として利活用できる。
竹はカリウムを多量に含んでおり、灰の軟化温度が680〜900度と低く、大型のボイラーで燃焼させると炉内に「クリンカ」という溶岩を生成する特性がある。さらに塩素濃度も高いため耐火物や伝熱管を腐食させやすい。そのため、国内では豊富な資源であるもものの、一般にはバイオマス発電などの燃料としては不向きとされている。
E-NEシリーズは独自の回転式ガス化旋回燃焼方式バーナーを採用しており、燃焼時のクリンカ生成を抑制する。また、クリンカが発生した際も自動排出機能により除去し、クリンカの炉内蓄積を防ぐことで、竹チップの安定燃焼を可能にしたという。
燃焼コントロール技術により温水の供給開始までの時間を短縮でき、負荷変動への対応のため2段階設定が可能となっている。さらに、灰出しを全て自動化することで省力化が図られている。缶体には無圧式を採用し、「ボイラ及び圧力容器安全規則」による届出やボイラ法定検査、取扱いにおける資格、免許が不要である。粉状、固形の燃料にも対応可能で、竹チップ、木質チップ以外の未利用バイオマス燃料にも対応するとしている。
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