水素でガラスを製造する世界初の実証、日本板硝子が英国工場で実施へ:省エネ機器
日本板硝子は、水素エネルギーを利用したガラス製造の実証実験を行うことを発表した。同社によれば、世界初の試みであり、英国北部にあるグリーンゲート工場で2020年11月に開始する。
日本板硝子は2020年2月、水素エネルギーを利用したガラス製造の実証実験を行うことを発表した。同社によれば、世界初の試みであり、英国北部にあるグリーンゲート工場で2020年11月に開始する。
日本板硝子(NSG)は2020年2月27日、英国において水素エネルギーを利用したガラス製造の実証実験を行うことを発表した。これは、世界初の試みであり、英国北部にあるグリーンゲート工場で2020年11月に開始する。
本実証実験はガラス溶解窯の主燃料である天然ガスと重油の代替エネルギーとして水素を利用するもので、転換可能な水素の比率を調査する。仮に天然ガスを全て水素に転換できれば、二酸化炭素(CO2)を80%削減することができる。
本実験は、イングランド北西部における産業、一般家庭および交通機関から排出されるCO2削減に取り組む共同事業体「HyNet」のプロジェクトの一環として実施する。英国政府が推進する工業燃料転換計画から520万ポンドの資金補助を受ける。
NSGは、2030年のCO2排出量(Scope1およびScope2)を2018年対比で21%削減を目標としている。なお、Scope1は事業者からの直接排出(製造工程における燃料の使用など)で、Scope2はエネルギー起源の間接排出(製造工程における購入電力など)のことである。過去3年間の取り組みにおいては、エネルギー使用量とCO2排出量の削減により、単位生産量あたりのCO2排出量5%削減を達成した。
同社は、エネルギー効率向上に貢献する高付加価値ガラス製品の製造と、事業活動による排出量の削減の努力を重ね、気候変動リスクの影響緩和にむけた取り組みを続けていく。
関連記事
- 太陽光と水素で動くコンビニ、トヨタとセブンが共同開発
トヨタとセブン-イレブンが、再生可能エネルギーや水素を活用する次世代コンビニ店舗の開発プロジェクトを発表。2019年秋に太陽光発電システムや燃料電池発電機、蓄電池を備える新型店舗を開設する。 - トヨタが「水素バーナー」を新開発、工場CO2ゼロへ一歩前進
トヨタが水素を燃料として利用できるバーナーを開発。自動車生産工場に導入し、CO2排出量の削減に活用する。工業利用を目的とした汎用水素バーナーの実用化は、世界初という。 - 世界トップを目指す日本の水素戦略、再エネ水素は2032年に商用化
政府は日本での水素社会の実現に向けた行動目標を示す、「水素基本戦略」を固めた。コストと低減と水素需要の拡大に向け、さまざまな実現目標が盛り込まれた。 - 2050年のエネルギー、水素が世界の2割を締める可能性――水素協議会が報告
世界の自動車、エネルギー関連企業などが参加するHydrogen Councilが報告書を公表。2050年までに世界のエネルギー消費量全体の約2割を水素が担う可能性があるとしており、そのCO2削減効果や経済効果などのメリットについても言及している。 - 1000km走る6人乗り燃料電池車、トヨタがコンセプトモデルを公開
トヨタが新しい燃料電池車のコンセプトモデルを公開。「MIRAI」より2人多い6人乗りのモデルで、航続距離は1000kmを実現するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.