空調の消費電力を50%削減、データセンター向け冷却システムを新開発:省エネ機器
NECとNTTコミュニケーションズが、データセンター内で利用する空調設備において消費電力を従来比50%削減できる新たなシステムを開発。ノンフロンの新冷媒を用いた冷却システムで、2022年にNECが製品化を目指すという。
NECとNTTコミュニケーションズは2020年8月、データセンター内で利用する空調設備において消費電力を従来比50%削減できる新たなシステムを開発したと発表した。ノンフロンの新冷媒を用いた冷却システムで、2022年にNECが製品化することを目指すという。
開発したシステムは従来の水冷システムより、熱交換性能が高い「相変化(気体液体)冷却システム」を採用した。相変化とは温度の変化に伴って、物質の状態(固体・液体・気体)が変化することを意味し、相変化冷却システムは液体から気体に変化する際に大きな熱が移動する現象を利用した冷却技術だ。
今回、同システムの受熱性能を2倍以上に向上するとともに、受熱部の高さを従来システム日で半分にすることに成功。天井高が低いフロアへの局所空調として、既存の建物・設備に後付けで導入が可能だという。
複数の熱源を持つデータセンターを効率的に冷却できる高い冷却能力を得るためには、相変化により熱を吸収した多くの冷媒をスムーズに流す必要があり。今回両社は配管内の気体と液体を分離することで、冷媒蒸気の流れをスムーズにし、低圧冷媒を大流量で流す技術の開発に成功。NTTコミュニケーションズの持つデータセンターの排熱ノウハウや、温度管理技術を組み合わせることで、大型空調機相当の40kW冷却能力で消費電力を現行比半分以下に削減することに成功した。
今後は2022年にNECでの事業化に向けて、まずはNTTコミュニケーションズが自社施設への導入検討を進める。将来的に両社は、通信設備のみならず病院や複合商業施設など大規模な冷却設備を必要とする顧客への導入を検討するとしている。さらに排出熱を二次利用する方法も模索し、より省エネ効果の高いシステムの実現を目指すとしている。
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