太陽光の第三者所有を活用するマイクログリッド、宮古島の離島で実証へ:自然エネルギー
沖縄県の宮古島につながる離島で、マイクログリッドの構築を目指す実証がスタート。太陽光発電の第三者所有モデルを活用し、需要家の負担を抑えながら、エネルギーの地産地消とレジリエンス向上を目指すプロジェクトだ。
沖縄電力(沖縄県浦添市)とネクステムズ(沖縄県宜野湾市)、宮古島未来エネルギー(沖縄県宮古島市)は2020年9月15日、宮古島市を加えた4者のコンソーシアムを結成し、宮古島市来間島(くりまじま)における地域マイクログリッド構築事業を開始すると発表した。経済産業省の補助事業への採択を受けて行うもので、太陽光発電の第三者所有モデルとエネルギーマネジメントシステムを活用し、エネルギーの地産地消とレジリエンス向上を目指すプロジェクトだ。
実証事業で構築を目指す地域マイクログリッドとは、平常時に太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池を活用して効などの地域内でエネルギーを利用し、災害などの非常時はこうした分散電源を大元の送配電ネットワークから切り離し、必要なエリアに電力を自立供給できる仕組みのこと。
実証を行う来間島は、沖縄本島から南西約300kmに位置する宮古島と、来間大橋でつながる離島で、約160人、約100世帯が暮らしている。
実証事業では来間島の住宅に、太陽光発電設備、蓄電池、エコキュートなどを、第三者所有モデルのかたちで無償設置する。合計270kW(キロワット)の太陽光発電、360kWh(キロワット時)の蓄電池を新たに導入する。加えて電力需給調整用の容量800kWhの蓄電池を設置し、既設の380kWの太陽光発電も含めて統合管理を行い、マイクログリッドを構築する計画だ。工事開始は2020年11月を予定している。
マイクログリッドの構築後は、平常時は宮古島本島につながる電力系統と、来間島に構築したグリッド側との電力の入出力が極力0になるようエネルギーマネジメントを行う。災害などで大規模停電が発生した場合は、宮古島系統からマイクログリッドを切り離し、住宅に導入した蓄電池や需給調整用に導入した蓄電池を制御し、電力を自立供給することを目指す。
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