ニュース
木質バイオマス発電の電力を自己託送、京セラらが鹿児島県で実証事業:自然エネルギー
京セラと鹿児島県肝属郡錦江町、おおすみ半島スマートエネルギーは、木質バイオマス発電の再生可能エネルギーを用いた自己託送に関する実証実験の共同研究協定を締結した。2021年10月より1年間、公共施設間での実験を実施する。
京セラは2021年1月26日、鹿児島県肝属郡錦江町およびおおすみ半島スマートエネルギーとの間で、木質バイオマス発電の再生可能エネルギーを用いた自己託送に関する実証実験の共同研究協定を同月15日に締結したと発表した。
同研究では、公共施設間の自己託送に関する実証実験を2021年10月より1年間実施する計画だ。京セラは、発電電力および需要電力を予測して自己託送電力を管理するエネルギーマネジメントシステム(EMS)を開発しており、おおすみ半島スマートエネルギーが同システムを運用することで、木質バイオマス発電の余剰電力を錦江町役場本庁舎へ自己託送する。
錦江町は、再生可能エネルギーの地産地消による地方創生に向けて「錦江町エネルギーマスタープラン」を策定している。2020年3月には、錦江町役場田代支所などの公共施設および木質バイオマス発電設備によるマイクログリッドを構築したものの、需要が低下する深夜や早朝に生じる余剰電力を活用できていなかった。
3者は今回の研究により、錦江町役場本庁舎にて購入している電力量の削減や同町内の再生可能エネルギー比率の向上を図る。また、実証実験と並行して、再生可能エネルギーの地産地消による雇用や新事業の創出を検討する。
関連記事
- 太陽光の自己託送運用を自動化、蓄電池を使わず余剰電力を管理可能に
日新電機が太陽光発電の自己託送システムを自動運用できる新しいエネルギーマネジメントシステム(EMS)を開発。太陽光発電による自己託送運用の自動化は、国内初だという。 - 国内初の「再エネ・クロス発電」が始動、1つの系統枠で太陽光と風力を同時運用
東光電気工事が1つの系統連系枠内で、太陽光発電と風力発電を同時に運用する「再エネ・クロス発電」を行う国内初の発電所の運用を開始。単独で発電を行うより、設備利用率を高められるのが特徴だという。 - FITを使わない世界最大級300MWのバイオマス発電所、新潟県に建設へ
イーレックスとENEOSが新潟県で世界最大級300MWのバイオマス発電事業を計画。 世界最大規模の発電所という性能面だけでなく、ポストFIT型のバイオマス発電事業としても非常に注目のプロジェクトだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.