家庭に蓄電池をサブスクで提供、伊藤忠らが新会社を設立:蓄電・発電機器
伊藤忠商事と東京センチュリーが、蓄電池などの分散型電源や関連機器のサブスクリプションサービスの提供を目的とした合弁会社を設立。新会社によるサービスの第一弾として、9月から家庭向けに蓄電池を定額で提供するプランを開始する。
伊藤忠商事と東京センチュリーは2021年8月12日、蓄電池などの分散型電源や関連機器のサブスクリプションサービスの提供を目的とした合弁会社を、共同出資で設立したと発表した。新会社によるサービスの第一弾として、9月から家庭向けに蓄電池を定額で提供するプランを開始する。
新会社の名前は合弁会社「株式会社IBeeT(アイビート)」(東京都千代田区)。資本金は2億4500万円で、出資比率は伊藤忠商事と東京センチュリーで50%ずつ。
IBeeTで提供する第一弾のサービスでは、伊藤忠商事が販売する家庭用蓄電システム「Smart Star」シリーズを、初期費用無料かつ月々の定額制でリース提供する。契約期間中の定期メンテナンスサービスの他、長期の製品保証、AIソフトウェア「GridShare」による最適充放電サービスなどもパッケージで提供し、契約期間満了後にはユーザーに蓄電システムを無償譲渡するという。
伊藤忠商事が販売する「Smart Star」は、同社がNFブロッサムテクノロジーズ社と共同で開発・販売する家庭用蓄電システム。2021年6月末時点で累計販売台数4.5万台を突破しているという。IBeeTで展開するサブスクリプションサービスでは、容量9.8kWhの「Smart Star L」と、容量13.16kWhの「SMart Star 3」を提供する。
なおIBeeTでは、将来的に電気自動車(EV)などのリユース電池を活用した中・大型蓄電システムや、業務用蓄電池、太陽光パネル、EV本体及び関連機器などのサブスクリプションサービスの提供も視野に入れる。さらに、IBeeTが提供サービスを通じて保有する分散型電源から生み出される余剰電力を、相互に融通できるシステムの構築など、効率的な分散型電源プラットフォームの早期構築を目指すとしている。
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