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太陽光で発電する移設可能なガレージを新開発、岐阜県で新たなEVシェアサービスが始動実証ではなく「ビジネス」として社会実装!(4/4 ページ)

2022年1月11日、岐阜県多治見市において電気自動車(EV)のシェアリングサービスがスタートする。配備される車両は、トヨタの超小型EV「C+pod」(シーポッド)。この車両が15分あたり220円(税抜)の低価格で利用できるようになる。数社の連携によって実現したこのEVシェアリング事業の詳細をレポートする。

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EVを普及させるには、バッテリーの標準化が不可欠

 現在、メーカーから発売されているEVは、そのモデル用に専用設計されたバッテリーが搭載されている。このため、例えば日産の電気自動車「リーフ」であれば、バッテリーのリサイクルは日産という限られた中でしか生まれない。しかし、この閉鎖性はEVの普及に大きな足かせとなる。AZAPAの近藤氏は、EVの普及やバッテリーのリサイクルを効率化するにはバッテリーの標準化が課題になり、この解決が難しいと語る。

 AZAPAが手掛ける今回のEVコンバージョンでは、この標準化を実現すべく、様々なメーカーの異なる種類のバッテリーでも車両に搭載できるよう、新しいインターフェースが搭載された。この技術を使うと、EV用/家庭用(定置用)の別なく、異なる用途向けに設計・製造されたバッテリーが相互交換的に利用できるようになる。これによって、バッテリーのリサイクルやリユースが大幅に進む。AZAPAでは、来年春前に、バッテリーの標準化に関するインタフェースをリリースする予定という。

 EVに限らず、バッテリー関連のインターフェースの標準化が進めば、当然ながら品質の高い部材や端末などが必要となる。プロジェクトの一員でもあるパナソニックは、ここをビジネスチャンスと捉えている。

 パナソニック株式会社ライフソリューション社の西川弘紀氏は、「いろいろな部材が標準化されていく中で、信頼性の高い部材としてパナソニックの製品を選んでいただける可能性が非常に高くなると思う」と、その可能性を示した。

 また、西川氏はこの多治見市のEVシェアリングについて、「この形を自分たちの地域でも実現したい」という声も寄せられるなど、既に他の地域からの引き合いが多くあることを明かした。

 経済産業省からは、2030年度における電源の構成比を再エネで約36〜38%にする旨の基本計画が発表されている。それを太陽光ベースで実現するには、現在のメガソーラーに加えて、屋根にソーラーパネルを備えたEVガレージのようなものも必要になるだろう。

 駐車場の屋根にソーラーパネルを付けるのならEVも導入しやすくなる。西川氏は、「このような循環がどんどん進んでいる手応えがある」とし「地域のプレーヤーの方と一緒にやっていきたい」と語った。


プロジェクトに取り組むプレーヤーの方々。左からパナソニックの西川氏、AZAPAの近藤氏、エネファントの磯崎氏、米田モータースの米田氏、SBテクノロジーの児玉氏、OpenStreetの工藤氏
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