午前の東京エリアは電力需要が供給計画を上回る厳しい状況、東北エリアも電力使用率100%に:エネルギー管理
3月22日午前の東京電力エリアにおける電力需給は、供給力の計画値に対して電力需要実績が上回る厳しい状況が続いている。さらに東北電力エリアでも9時台に電力使用率が100%に到達した。引き続き、日常生活に支障のない範囲で節電に努めたい。
3月22日午前の東京電力エリアにおける電力需給は、供給力の計画値に対して電力需要実績が上回る厳しい状況が続いている。経済産業省では引き続き、日常生活に支障のない範囲で節電への協力を求めている。
東京電力パワーグリッドの発表によると、3月22日の揚水発電を含む供給力の計画値に対する電力需要実績は、8時時点で114万kW下回っていた。
しかし9時台から供給力と需要実績が逆転し、電力需要実績が9時時点で225万kW、10時時点で289万kW、11時時点で279万kW上回った。さらに9時台には東北電力エリアにおいても電力使用率が100%に到達。東北電力ではプレスリースを発表し、節電への協力を要請している。東日本全体で電力需給が厳しい状況が続いている。
現在、電力需給の安定を保つカギとなっているのが、最終的な需給調整手段である揚水式水力発電所だ。揚水式水力発電所は上部調整池に貯められた水を、下部の調整池に流して発電する仕組み。つまり、上部調整池の貯水量が「発電可能容量(kWh)」に相当する。現状、供給計画を上回った電力需要分を、揚水式水力発電で賄っている状況だ。
ただし、上部調整池の貯水使い切ると、発電が停止することになる。東京電力エリアでは、全供給力の約20%をこの揚水式水力発電が占めている。現状、これが停止すると、停電のリスクが大きく高まる状況だ。
東京電力パワーグリッドでは、保有する揚水式水力発電の発電可能容量の残量を1時間ごとに発表している。10時時点の残量は87%、11時時点で79%となっている。
燃料に相当する貯水量の減少速度を遅らせるには、電力需要をおさえるしかない。引き続き可能な範囲での節電に努めたい。
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