スマートメーター不要の太陽光パワコン登場、オムロンが特定計量制度を受け新モデル:太陽光
オムロンが2022年4月施行の特定計量制度に対応した産業向け太陽光発電用パワーコンディショナーを発表。スマートメーター水準の計測機能を内蔵しており、PPAモデルなどによる太陽光発電設備の導入コスト削減に寄与するという。
オムロン ソーシアルソリューションズ(以下、OSS)は、2022年4月施行の特定計量制度に対応した産業向け太陽光発電用パワーコンディショナー「KPW-A-2-M」を同年6月上旬から販売すると発表した。
近年、PPA(電力販売契約)などの新たなスキームによる太陽光発電設備の導入が広がっている。こうした背景を受け、その普及を加速させるために、一定の条件を満たした場合にスマートメーターなどの電力計測機器の取付義務を免除する法改定(特定計量制度の新設)が2022年4月より施行された。
今回OSSが販売するパワーコンディショナーは、この新制度の開始を受けたもの。スマートメーター相当の精度を有するパワーコンディショナーの電力計測機能を開発し、その機能を2020年6月に発売を開始した完全自家消費対応パワーコンディショナー「KPW-A-2」に搭載したモデルとなる。
新モデルでは計測精度をスマートメーター相当の2%以内とする高精度計測を実現したという。この機能追加により、PPAビジネスで必要になるスマートメーターを個別に取り付ける必要がなくなり、機器コストの削減に寄与。さらに機器構成の設計や施工時の配線などの工数削減にもつながり、トータルコストの削減が可能になるとしている。
また、従来機種と同等の生産リードタイムを実現するため、短時間で電力量の計測誤差を測定する検査技術を確立し、出荷前検査の検査機に導入することで、パワーコンディショナメーカーとしては「業界初」(同社)の量産化を実現したとしている。
まず第1弾として6月上旬より産業向け太陽光発電用パワーコンディショナ「KPW-A-2-M」を発売し、今後この機能拡張を自社の他機種にも順次展開する方針だ。
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